長女一家との旅行の行き先や日程は、すべて、長女夫婦に任せていた。そうしたら、夫と予定していた旅行に重なってしまった。
「お父さん、よい話と悪い話があるのだけど、どちらから聞きたい?」と、話を切りだしたのだけど、夫は「どこが、悪い話だ? 自分たちの旅行はいつでも行けるのだから、今回はキャンセルしてでも、せっかく誘ってくれている長女達と行くに限る」と言った。
これで、昨年より、夫との旅行の計画がつぶれるのは、3度目か4度目となる。
「わしは、旅行には興味がない。そのお金で、家財道具か庭木を買いたい」と言い、5年前、私が楽しみにしていた退職旅行を、すっぽかした夫だった。行き先は北海道、日程は退職前の有給休暇の消化で、お金は生命保険の満期を当てるということで、ちゃんと、夫婦の間で話は決まっていた。
だのに、私がはっと気づいた時は、夫は有給休暇をすべて卓球の練習に当て、預けていたお金も使いはたしていた。責める私に夫は、「自分は旅行に興味がない。だから、おまえが1人でもしくは誰かと行くことを、止めたりはしない」と言った。
それで私は地域女性部に入会して親睦旅行に参加して、3年かけていっしょに旅行に行ってくれそうな友人も見つけたし、子育てが少し楽になった子ども達とも仲良くして、旅行に誘ってれるようにいろいろと画策したりもしたりした。
それがなんとなんと、旅行嫌いな夫なんかいなくても、なんとかやれるものだなあと思え始めた時に、夫が言ったのだ。「わしもそろそろ先が見えてきたので、行けるうちに旅行に行きたくなってきた。ミマンよ、計画のほうをよろしく頼む」
「ええっ~~」と思い、「いくらなんでも、それはないでしょう」とも思った。「はい、はい、わかりました」と返事だけしておいて、夫のことは放っておこうと考えたこともある。
でも、孫が大きくなれば、子ども達もそのうちに誘ってはくれなくなるだろうし、友人との旅行を優先して、毎日、夫の不機嫌な顔を見るのもいやだしとも思う。でも、やっぱり、まだ、5年前のあの恨みは、私の心の中にあるのだ。
それで、昨年から地域女性部で、お隣の奥さんと、そして子ども達一家と旅行するたびに、夫との旅行計画をキャンセルするということを、繰り返している。(旅行シーズンって、重なるのだ)
かなり具体的にたてた計画を取りやめるのはめんどうな作業だし、何よりも「あなたとの旅行よりも、こっちの旅行を私は優先したい」と夫に言うのに罪悪感を覚えるし、そうやって行った旅行先で、ふと、1人で留守番をしている夫のことを思い出すと、申し訳ない気持ちになったりもする。
5年前にちゃんと約束したのだから、夫に気を遣うことなどないのだと割り切りたいのだけど、もしかしたら、あと20年も同じ屋根の下で暮らす人かも知れないので、そうであれば、過去のいきさつなどは水に流して、夫婦2人で楽しむことを優先すべきかとも悩む。
結局は、家庭の平和は、妻の我慢と忍耐だなあ~~。(笑) でも、夫に言わせれば、「その平和も、わしの40年間の稼ぎがあったからこそ」ってことになるのだろうなあ~~。
この5月で結婚して37年となるが、夫婦間のことには学校や職場のように卒業も退職もなくて、仲良く暮らそうと思えば、その努力はどちらか一方の死まで続けなくちゃいけないのだなあと、これも最近、この年齢になって気づかされたことだ。


上の写真は、小豆島からの帰りのフェリーの中で遊ぶ孫たちです。帰りのフェリーの中で、やっと、孫の写真を撮ろうかという余裕の気持ちになれた。
そして下の写真は、家財道具大好き夫へのお土産の、徳島の藍染の暖簾です。小豆島は、徳島県ではないですが。でも、私の予想は的中で、(こういうことがわかるのが、喧嘩しながらも、37年間も夫婦だってことなんだろうなあ)、夫はすぐに暖簾を掛けて喜んでいた。
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